ジュエリーの内側に打たれた「750」「K18」「K18GP」「GF」といった刻印は、素材の中身を示すサインです。読み方を1つ間違えると、金メッキの製品を「金の製品」と取り違えます。

この記事では、金の刻印の見方を、一般社団法人 日本ジュエリー協会(JJA)の「ジュエリーおよび貴金属製品の素材等の表示規定(2023年度改訂版)」をもとに一覧で整理します。品位(純度)を示す刻印と、めっき・張りを示す刻印の違い、そして「K18GP」を「18金」と読んではいけない理由まで、表で確認できるようにしました。

価格や相場には触れません。相場は日々動くため、金額は商品ページの表示を正としてください。ここで扱うのは、時間が経っても変わらない「刻印の意味」だけです。

結論:刻印は「品位」と「めっき・張り」に分けて読む

金の刻印は大きく2種類あります。地金そのものの純度を示す品位の刻印(K18、750 など)と、別の金属の表面を金で覆ったことを示すめっき・張りの刻印(GP、GF、RG など)です。後者は地金が金ではありません。まずこの早見表で全体像をつかんでください。

刻印の例 意味 地金が金か
K18 / Au750 / 750 金の含有率75%の金合金(18金) 地金が金
K24 / Au999 / 999 金の含有率99.9%以上(純金) 地金が金
K18GP / GP 金めっき(表面だけ金の薄い皮膜) 地金は金ではない
K18GF / 1/20 K18GF 金張り(質量比1/20以上の金合金を圧着) 地金は金ではない
K18RG / RG 金張り(質量比1/20未満) 地金は金ではない
K18RHP / Au750 RHP 18金にロジウムめっきを施したもの 地金は金

金の刻印の見方の基本:純度と品位の違い

金の品位とは、金合金に含まれる金の最低含有率(純度)を、千分率(‰)で表した表示である。JJAの規定では、純度は合金中の金の含有率そのもの(750‰など)を指し、品位はその「最低含有率」を元素記号とともに示すもの(Au750 など)と定義されています。

つまり「750」という刻印は、金が1000分の750=75%含まれていることを意味します。ブランドや品質の等級を示す番号ではありません。ここを取り違えると、以降の刻印がすべて読めなくなります。

金のカラット(K)と千分率の対応表

日本では金の品位を、千分率のほかに「24分率の整数+K」でも表します。K24が純金、数字が小さくなるほど金の割合が下がります。JIS H6309:2022 に基づく対応は次のとおりです。

カラット表示 千分率(純度) 金の含有率のめやす
K24 999 約99.9%(純金)
K22 916 約91.6%
K20 833 約83.3%
K18 750 75.0%
K14 585 約58.5%
K10 416 約41.6%
K9 375 約37.5%
K8 333 約33.3%

2点だけ補足します。1つは、千分率の「990」に相当するカラット表示は無いこと(JIS H6309:2022)。もう1つは、海外では「18K」のようにKを数字の後ろに置くことがありますが、原則としてKは数字の前に置く表記です。

「金」とGP・GF・RGは別物(比較表)

ここがこのジャンルで最も誤解の多い箇所です。GP・GF・RGは、いずれも地金が金でできた製品ではありません。別の金属(黄銅や銀など)を土台にして、表面を金で覆ったものです。「K18GP」を「18金」と1文字省いて読むと、中身の異なる製品を指すことになります。

記号 名称 中身 地金が金か
K18 / Au750 18金(金合金) 全体が金の含有率75%の合金 地金が金
GP 金めっき(Gold Plated) 土台金属の表面に金の薄い皮膜 地金は金ではない
GF 金張り(Gold Filled) 張り合わせた金合金の質量比が1/20以上 地金は金ではない
RG ロールドゴールド(Rolled Gold) 張り合わせた金合金の質量比が1/20未満 地金は金ではない

GFの数字は「厚み」ではなく「質量比」

金張りの「1/20」「1/10」といった数字は、皮膜の厚みではなく、製品全体に対する金合金の質量比を表します。JJAの表記例では、「銀950の台地金に質量比1/10の金750の板を張った素材」は「Ag950 1/10K18GF」、質量比1/20以上の金張りを漢字で書く場合は「純銀 18金張り」のように表します。

めっきの記号と厚みの表し方

めっきは、いちばん表面の皮膜金属を記号で示します。地金にめっきをした場合は、地金の表示に続けてめっき記号を付けるのが望ましいとされています。

めっきの種類 記号
金めっき GP
ホワイトゴールドめっき WGP
ピンクゴールドめっき PGP
ロジウムめっき RHP
プラチナめっき PTP
銀めっき AGP

厚みを示すときは、記号のあとに最小の厚み(μm)を付けます(例:3μmの金めっきは「GP 3μm」)。イオンプレーティングの場合は、記号の「P」を「IP」に置き換えます(金イオンプレーティングは「GIP」)。

「K18WG」と書けない場合がある(ロジウムめっき)

ホワイトゴールドは、地金の色に近い白色のめっき(一般にロジウムめっき)を表面に施すことが認められています。ただしJJAの規定では、色みのある金合金にロジウムめっきやプラチナめっきをかけて、めっきの色で「ホワイトゴールド(K18WG)」と表示することは不当な表示とされています。

この場合は、めっきの色ではなく地金の品位+めっき記号で表します。たとえばイエローゴールドの金750にロジウムめっきをしたものは「K18 RHP」または「Au750 RHP」と表示し、「K18WG」とは書けません。刻印に「RHP」「PTP」が付いていたら、白い見た目は表面のめっきによるものだと読み取れます。

プラチナ・銀・パラジウムの品位

金以外の貴金属にも品位区分があります。JIS H6309:2022 に基づく主な区分は次のとおりです。

金属 品位区分(千分率)
金(Au) 999 / 990 / 916 / 833 / 750 / 585 / 416 / 375 / 333
プラチナ(Pt) 999 / 990 / 950 / 900 / 850
銀(Ag) 999 / 990 / 958 / 950 / 925 / 800
パラジウム(Pd) 999 / 990 / 950 / 500

プラチナと銀の刻印で押さえる点

  • プラチナ: 850‰未満の純度の製品を「プラチナ製品」と表示してはならないとされています。刻印はPt900、Pt950 のように示します。
  • 銀: 「SV」「Silver」「SILVER」だけを用いる場合は925‰以上でなければなりません。品位925の銀合金は「Sterling(スターリング)」と表示できます。刻印例はAg925、SV925、Silver925 など。

造幣局のホールマークは「任意」の品位証明

「ホールマーク」とは、造幣局が製品の純度を試験し、合格した製品に打つ品位証明の刻印です。日の丸と、ひし形の中に千分率の数字を組み合わせた図柄で示されます。

重要なのは、このホールマークは任意であって、法律で義務づけられているわけではない点です。したがって、ホールマークが無いこと自体が品位を否定するものではありません。造幣局の検定品位区分では、金は999・916・750・585・416・375、銀は999・950・925・900・800、プラチナは999・950・900・850 が対象とされています。

金属アレルギーと「NF(ニッケルフリー)」表記

刻印まわりで健康にかかわるのが「NF(ニッケルフリー)」の表記です。JJAの規定では、NFと表示する場合でも、「ニッケルを含まないから安全」という表現を付けてはならないとされています。理由は、ニッケルだけでなく、金・パラジウム・プラチナなど多くの金属イオンが金属アレルギーの症状や発症の原因になり得るためです(ピアスなど体に穴をあけて使う装身具のポストには、ニッケル含有貴金属を使わないものとされています)。

言い換えると、素材選びだけで金属アレルギーを解決できると断定はできません。症状がある方や心配な方は、素材の刻印を確認したうえで、皮膚科など医療機関に相談してください。この記事は素材表示の読み方を整理したもので、診断や治療の助言ではありません。

よくある疑問(Q&A)

Q. 「750」だけの刻印でも18金ですか?

A. 金の品位を千分率で示すとき、金は元素記号を省略できるため、「750」だけでもK18(金の含有率75%)を指します。ただし望ましい表示はAu750 とされています。

Q. 「K18GP」は18金ですか?

A. いいえ。GPは金めっき(Gold Plated)で、地金は金ではありません。表面の金の色でK18の色に近づけているだけです。「18金」と読み替えないでください。

Q. 刻印が無い製品は偽物ですか?

A. そう断定はできません。品位の刻印もホールマークも義務ではないため、無いことだけを理由に本物・偽物を判定することはできません。刻印は判断材料の一つにとどめ、確実に知りたい場合は鑑別機関に依頼してください。

Q. 「RHP」や「PTP」は何を意味しますか?

A. それぞれロジウムめっき、プラチナめっきの記号です。地金の品位(K18、Au750 など)に続けて付き、白い見た目が表面のめっきによることを示します。

まとめ

  • 金の刻印は「品位(K18・750)」と「めっき・張り(GP・GF・RG)」に分けて読む。後者は地金が金ではない。
  • K18=750=金の含有率75%。カラットと千分率はJIS H6309:2022 で対応が定められている(990にKの相当表示は無い)。
  • 「K18GP」を「18金」と1文字省いて読まない。GFの数字は厚みではなく金合金の質量比。
  • 色みのある金合金にめっきをして「K18WG」とは表示できず、「K18 RHP」などで示す。
  • 造幣局のホールマークは任意の品位証明。無いことが品位を否定するわけではない。
  • NF表記でも「安全」とは言えない。金属アレルギーが心配なら医療機関へ。

刻印を確認したうえで、地金が金・プラチナ・銀の新品ジュエリーを探すときは、N2 Collection の全商品コレクションで素材と品位の表示をご覧ください。当店は値引きをせず、素材と品位を表示したうえで販売しています。

出典